よくも悪くも、映画の成功で有名になった本作ですが、そのため「すごく恐い」とか「貞子」ばかりがクローズアップされて、小説の面白さが、正しく伝わってないのが残念です。この小説の面白さは「見ると1週間後に死ぬ」という、まるで不幸の手紙のようなくだらないプロットを、エンターテイメントとしてストーリー化したところにあると思います。オカルトをサイエンテフィック・ホラーに昇華しようとした、S・キングの「キャリー」に近い内容です。連作「らせん」「ループ」ではさらにSF色が強くなっていき、壮大な物語に発展していきます。ぜひ、3作続けて、読んでいただきたい作品です。
純粋に面白かった。おすすめ度
★★★★★
自分は映画をだいぶ前に見て気になり古本屋で目にして急に気になり、買った口です。
感想ですがこれはいい買い物したなと。(百円でした)
まず驚いたのが貞子テレビから出てこないということです。
この時点で映画と大きく物語が違っている部分もあって新鮮でした。
ホラーは読んだ事なかったのでどういう
恐怖が押し寄せるだろうと思いながら読んだんですが、怖いというより面白かったですね
貞子の生い立ちや主人公の焦りが物語を引き立ててくれます。
文体もかなり読みやすいのですぐ読み終えました。
ホラー好きでなくとも絶対対楽しめますよ。
続編あるけど私の中では“完結された作品”おすすめ度
★★★★★
初めて読んだのは中学1年。映画化云々ではなく、何気なく適当に手に取った。それだけ。
そして、何度も何度も読み直した。本当にツボにはまった小説だったなぁ。
作者が「ホラーと言うよりミステリー」とどこかで言っていたように、恐怖よりも、ビデオの断片映像を
ヒントに真相を解き明かす、推理モノって感じ。そして、100%解明されたと思いきや、大どんでんがえしのラスト・・・。
当時の僕には圧巻でした。映画は話題の割に駄作。続編も全部読んだが、“セカイ系”っぽくて嫌い。
僕の中では『リング』で完結している。リングはそれ以上でもそれ以下でも無い(と私は勝手に思う)!
面白いには面白いが・・・
おすすめ度 ★★★★☆
今までホラー小説なるものを読んだことがない人間なので、
ホラー小説史上においてこの作品がどの程度優れたものとして
評価されているのかはよく分からない。たしかに、ある独特の
迫力を持つ筆致、「人間にとっての恐怖」というものに対する
飽くなき追求の意欲は感じる作品だったが、ところどころに
「穴」があり、そこで興醒めしてしまうことがあった点は否め
ない。
意外なエンディングには感服するが、後半は書き急いだ感が
あり、何故このエンディングでなければならないかの必然性が
感じられないので、単に「奇をてらった」あるいは「読者を
怖がらせたい」だけの作品と捉えることも不可能ではないのだ。
言い換えれば、緻密さを欠いた作品であるという意味で、
文学作品として考えた時には今ひとつの感が拭えないという
意味である。