ECMらしい名盤!!!おすすめ度
★★★★★
言うまでもない名盤である。
ピアノとヴァイブラフォンのデュオ。いかにもECMらしいヒンヤリとした耳触りの音である。ジャケットのような録音場所のオスロの空気が伝わるようである。
しかし静かなバラードばかりという訳ではなく、熱気あるプレイも聴かせる。ただあくまでも肌触りはクールで青白き炎といった印象である。ジャズという枠を超えて、この二人ならではの音楽となっている。
1曲目「セニョール・マウス」はまさに熱い。チックお得意のスパニッシュ風味を効かせて、ピアノフォルテのあらゆる表情を見せてくれる。バートンも負けじと縦横に駆け巡る。アルバム中唯一楽しげな曲である。
4曲目「デザート・エア」がジャズ的だろうか、スリリングな二人のインタープレイが聴かれる。
そして5曲目「クリスタル・サイレンス」。「かもめのチック」以来の再演となるが、まさにこの演奏のために付けられたようなタイトル。リメイクであっても、表情・雰囲気は全く違う。
前回はソプラノ・サックスで伸びやかに歌われたメロディーが、今回は点描画を描くように音が置かれる。どちらも素晴しい出来である!!。何度聴いたか分からない…。
最後はこれも再演「ホワット・ゲーム・シャル〜」。これも全く違う曲のようである。アンコールのように、二人の硬質で切れの良いプレイでさっと幕を閉じられる。
LP時代から好きですおすすめ度
★★★★★
LP時代には宝石のように輝く音がすきでした。しかしその後CDを買って聞いてがっかりしていました。なぜならLPの広がり、柔らかさが全然無くなってしまったからです。そうこうするうちにCDプレイヤーをそこそこのものに買い換えてみると、十分満足できる音になり、再び愛聴盤として聞いております。もうLPには戻れません。
傑作おすすめ度
★★★★★
何も言えないくらい美しい。明け方に聴くと最高!!の一品。
PとVの合奏の呼吸が聞こえてきますわおすすめ度
★★★★★
チックとゲイリーの名盤中の名盤! (アルバム「デュエット」もいいけど)これ、ほかのアルバムの同一の曲と聴き比べるのもいいですよ。ほら、「セニョールマウス」なんか、RTFのバージョンとこれ、そのスリリングの違い、同名タイトル曲のRTFのとのちがい。これは、わたし、こっちのが好きなのよ。もう一つすきなのが、「ワッツ・ゲーム・シャル・なんたらかんたら」わすれちゃった。でも、いいよお。これ、ハービーとのピアノデュオよりも、絶対にいいよ。
ECMの最高傑作のひとつ!
おすすめ度 ★★★★★
すごいです。これが、たった二人のライブとは信じがたいというのが、誰もが思う感想でしょう。ECM特有の、透明感がアルバムを被い、おそらくパットの『bright size life』と肩をならべる傑作であります(この二つのアルバムはなぜかセットで聞きたくなります)。で、目玉の「クリスタルサイレンス」ですが、このヴァージョンはこれで、一つの世界を作っているので、『retrurn to forever』のとは比べられません。ここをヒットしてるのなら、買って見ましょう。
概要
70年代初期のチック・コリアは、ソロピアノを録音。続く「リターン・トゥ・フォーエヴァー」は電気楽器を導入し、ブラジル人ミュージシャンを加えて、ジャズの枠を大きく飛び越えた「桃源郷音楽」。これらと同時期の72年にリリースされた本盤は、この2つの音楽を融合したような形である。
コンテンポラリーなヴァイブラフォン奏者のゲイリー・バートンと、アコースティックピアノでデュオを行った。「リターン・トゥ・フォーエヴァー」でのハッピー&トロピカルな要素を、アコースティックな対話で、しかもジャズインタープレイの醍醐味をも聴かせる。ベースもドラムスもいない環境でリズミカルな演奏をするには、両者に音楽的、リズム的センスと技術が不可欠である。
ラテンフレーバーあふれるコリアのオリジナル『セニョール・マウス』でのタイトなリズム感は、まことにスリリング。ピアノとヴァイブラフォンだけの表現力に手ごたえを感じたのだろう、多彩なコリアのライフワークの1つとなった。(高木宏真)