言いようも無い透明感が漂っている・・・。 おすすめ度 ★★★★★
著者の『ドコカの国にようこそ!』を偶然手に取り
それがかなりの名/迷作であったため本作も手に取った。
代表作とも云える『ドコカの国にようこそ!』や『クロイヌ家具店』を
色に喩えるならば間違いなく「黒」であるが、
本書は題名にある通り、全編が「白い」印象であり、異色。
物語に流れる「死の影」と「もうひとつの世界」というテーマは定番だが
ギターを奏でる薄幸の少女の描き方や、
音楽の使い方に言いようも無い透明感が漂っており、
触れれば割れてしまいそうなリリシズムが沁みる佳作である。
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