淡々と時間は進むおすすめ度
★★★★★
短編3篇収録。
第1話。令ちゃんがお見合い!? 気になる由乃と菜々は会場への潜伏を試みるが…。
第2話。志摩子さんが校門で、割烹着姿の謎の男に連れ去られる。その男の正体とは…。
第3話。待ちに待った祥子さまとの遊園地デート。しかし、その遊園地にはあのメンツが…。
短編3篇のセットだが、番外編というわけでもなく、着々と事態は進行している。来年度の山百合会の人間関係がどうなるのか(今年の誰の役回りを誰が引き継ぐのか)、なんとなく方向性が見えた気分だ。来年はあんなこと、こんなことがあるだろう、と、今から想像力をかきたてられる。
以下、個人的に見所を。
1)菜々、突っ走る! 由乃さんが「青信号でGO!GO!」なら、菜々は「赤信号でもGO!GO!」だ。
2)性さま、もとい、聖さまのセクハラオヤジぶり復活! しかし、それにまったく動じない人がひとり。
3)志摩子さん、薔薇の館で壊れる! あの冷静な志摩子さんが、志摩子さんが…。
4)祥子さま、はしゃぐ! そして、柏木さんが今回はなんとも言えず好青年。
柏木さんがカッコいいおすすめ度
★★★★☆
最初はあんまりいい印象じゃなかった柏木さんですが
あっこの人、本当は本当にカッコいい人なんじゃ…?
と思わせるところがあって、男性キャラのなかでいちばん好きです。
カチンとくるけど、ふとカッコいい。
バカだこの人!と思うけど、ちょっと敵わない。
そんな柏木さんファンにお勧めです。(紅薔薇のため息)
いかにも最近のマリ見ておすすめ度
★★★☆☆
5つ星を付けている人も何人いるが、
どういうつもりか全く理解できない。
今回の新刊が過去の名作群に比肩しうると本気で思っているのだろうか?
率直に言って、ここ最近のマリ見ての低調そのままの作品である。
当たり障りのないエピソードを連ねて、最後は消化不良で終わる。
男性キャラの素性や年齢を隠して読者の想像を刺激する手法は、
過去の作品でも何度も使われているのでもう飽きた。
この作者はこう言うパターンしか使えないのだろうか?
百合ブームを起こし、コバルト文庫に多くの新規読者を獲得したマリ見て。
しかし、ここへ来てネタの枯渇と露骨な引き延ばしが目立つようになり、
正直、作者の才能の限界を感じさせる。
所詮、コバルトの、子供向けの作家に過ぎないと言う事か・・・。