遂に邂逅―――。おすすめ度
★★★★★
“蛇”、彼の持つ“銀貨”、そして大罪者が一人、“孔雀”。
始まりの役者は出揃い、遂に1巻の『あのシーン』へと物語は到達します。
最初の銀貨が砕かれ、成就の狼煙を上げた『フラーテの予言』。
舞台を南――ナポリから移し、第一部完了です。
第一部、完。
そう、此処に至りようやく巡礼の魔狩人達の物語は始まるのです。
『あのシーン』が1巻に描かれていた訳がようやくわかりました。
やばい、やっぱ凄いです冲方さん。
最初に砕かれる銀貨とは誰か。
魔女として囚われたカーリン、そして彼女を助け出そうとするアデールの運命は。
答えは、是非その目でご覧頂きますよう。
話・作画ともに相変らず素晴らしく練りこまれた巻でした。
かくて物語は幕間を迎えるおすすめ度
★★★★★
中世のヨーロッパを舞台にした、異色のファンタジー作品です。
史実に基づいた出来事、実在の人物達を非常に見事に使った異能者達の戦いを描いたこの作品も、第一部の完結を迎えました。
七つの大罪者とは? その目的とは? ローマの焼却とは?
そして、これから彼らは私達の知る歴史にどう関わるのか。
何よりも、共に旅し励ましあったアデールとカーリンがこれからどうなってしまうのか。
まだまだ謎は一切解けず、物語への期待は膨らむばかりです。
アデールとカーリンの二人がまた共に笑い合う日が来る事を願って、物語のハッピーエンドを願って、第二部を期待しましょう。
ルネッサンス・ファンタジー第1部終了!
おすすめ度 ★★★★★
期待のSF作家・冲方丁原作、美麗絵師・伊藤真美作画の
異色ルネッサンス・ファンタジーの第1部が終了!
冲方氏は、膨大な資料を元にしっかりとしたプロットを作り上げる、
今注目の若手本格SF作家だけあり、
この作品でも時代が大きく動いた16世紀のヨーロッパを、
魔女狩りを縦軸に見事に組み立てています。
伊藤氏もラフに見えて緻密な構図、
描線でややもすると繁雑になりがちな
大量の登場人物を見事に描き分けているのは流石。
魔女狩り、ファンタジーと聞いて
眉をひそめる方も少なくないかもしれません。
たしかに、ゲームファンタジー(もどき)が氾濫してる現在、
本来のファンタジー小説の愛好者は苦々しく思っているでしょう。
本作品は、ルネッサンス期の渾沌と、
政治に目がくらむ教会といった、
史実を忠実に描く努力をしているのが見られます。
それによってお話にしっかりとした厚みが生まれ、
異能力を持つ登場人物たちの苦悩も際立っているのです。
お話は、主人公のカーリンとアデール、
幼馴染でお互いを支えあっていた二人が、
相対する二つの異能者集団の戦いに巻き込まれ、
つらく悲しくも袂を分かつところで、
今巻の第1部は終了します。
はてさて、これからどんな展開が待っているのか、
ますます目を離せなく作品ですよ、これは!