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天平の甍 (新潮文庫)

井上 靖
おすすめ度:★★★★★
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まさに名著
おすすめ度 ★★★★★

文学史に残る傑作。解説にもあるが、海難さえなければ空海以前に密教体系が日本にもたらされたかもしれないという設定は、渋い。司馬の『空海の風景』を読んでいるとなおいい。



無常感
おすすめ度 ★★★★★

 中学を卒業し 高校に入学する前の春休みに本書を読んだ。当時とにかく気に入って一時は全部 筆写しようかとさえ思ったことを覚えている。

 今となってみると なんでそんなに耽読したのか不思議だ。

 おそらく これから高校という新しい環境に入っていく自分が 遣唐使として中国に向かった主人公たちと どこか自分の中で重なるものがあったからではないかと思う。今から考えてみると 高校は そんなに緊張して入学するところでもなかったわけだが 12歳程度の子供にとっては そんな風に緊張していたのかもしれない。

 希望を持って中国へ渡った若者たちは それぞれの目標を達成し それぞれの挫折を味わっていく。
 鑑真という人がわざわざ日本という 異国にして蛮国に来て そうして没していく。
 そうした描写には どこか無常感も漂う。

 高校前の幾分ナーバスな僕にとって そんな無常感が 心地よかったのかもしれない。



文豪が描き出す壮大な歴史ロマン
おすすめ度 ★★★★★

 情報がネットワークを通じて自在に行き来する現代からは想像も出来ないことだが、1300年の遥かなる昔に生きた人びとにとって、何かを学び、或いは伝えることは、人生の全てを費やし、命がけで成し遂げる価値のある、文字通り“一代の事業”だったのだ。

 東の果ての島国に仏法を伝えるため、不帰の覚悟で海を渡った「鑑真」。
 そして、鑑真招来のための命を賭けた「栄叡」。
 人生の全てを日本に送るための経典の書写に捧げた「業行」。
 そんな彼らの意思を、運命のように受け継がざるを得なかった(主人公)「普照」。

 彼らの姿を、簡潔に、されど情感豊かな描き出す作者の文章は、相変わらず見事の一言。浅田次郎氏が「歴史に敬意を払いつつ、見てきたような大嘘をつく」というように評していたが、言いえて妙である。そんな文豪の筆致を存分に味わえる傑作である。



時代背景に対する説明が足りない
おすすめ度 ★★★☆☆

天平五年(西暦733年)の第九次遣唐使で唐にわたった僧、栄叡、普照その他の僧侶たち。在唐二十年、幾多の失敗を経て、唐の高僧鑑真を招聘して故国の土を踏んだのはただひとり普照のみだった……。

高僧とはいえ、坊さんが一人日本に渡ってきたことがなぜそれほどに大事件なのか? 仏教というものの当時における存在感、国策として国を挙げて僧侶をわざわざ大陸まで送っていたことの背景、中国側がなぜ鑑真を送り出すことに難色を示していたのか? そういうことに対する理解を基礎知識として持った上で読め、ということなのかもしれませんが、そうした背景に対する説明を抜きにして物語が構築されていることに物足りなさを感じました。主人公の栄叡、普照を突き動かしているものの正体に手が届かない感じがします。

もちろん、細かな心理描写、当時の海を渡る苦労、栄叡、普照の真摯さ、鑑真の人柄、そうしたものは、井上靖の小説ならではの、その場にいて、実際に見ているかのように感じられる写実性の高さです。



念願かなって
おすすめ度 ★★★★☆

20年以上読もう読もうと思って何度も挫折し遂に読み終えた記念にレビューします。挫折ってことはあんまり面白くないのかというと、井上さんの他作品よりも難解で、日本を出発するまでがノレなかったけど、その後は問題無かったです。(注釈が付いてる本って何度も読まないと飲み込めない時があってこの話もそう)
でも内容はとても興味深い話で、人生を賭けて唐に渡り運命に翻弄され、流転の末に高僧鑑真を日本に招いた留学僧のお話です。何としても鑑真を日本へ、と使命に燃える普照。幾度も死線を超え、それでも彼を動かすものは何なのか。そして高僧鑑真の不屈の精神にも感動します。すでに高い地位にあり高齢な彼が、海に沈む危険をおかして日本へ来てくれた事、遠い昔話とはいえ感慨深いものを感じます。


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